編集後記:ベッカムは旋風を巻き起こすか?

今週はポッドキャスティングを1週間だけお休みさせてもらっていますが、その間にも色々とニュースが入ってきているようですね。僕は11日の早朝まで、ブッシュ大統領のテレビ演説に関するニュースで本業の方が忙しかったんですが、仕事を終えて一眠りし、11日の朝9時頃に目を覚ますとビックリ。毎朝飲むブラック・コーヒー以上に僕の目を覚まさせてくれたのが2つのスポーツ・ニュース。ニューヨーク・デイリー・ニュース紙がスクープとして報じたバリー・ボンズ選手のアンフェタミン使用と、日本でもよく知られたフットボール選手であるデービッド・ベッカムのロサンゼルス移籍に関する2つの話でした。

ボンズが使用していたとされるアンフェタミン。これは筋肉増強剤ではなく、興奮作用を高める薬で、もっとハッキリと言えば覚醒剤の一種です。スピードなんていう別の呼び名もありますが、以前に白人の貧困層の間で爆的に流行したため、「レッドネックス・ドラッグ」なんていう言葉でも通じるほど。ボンズ選手はアンフェタミン使用に関して、肯定も否定もしない態度をとり続けていますが、現在のMLBのルールはアンフェタミン使用者は1回目は罰せられないという寛大なもので、昨年行われたドーピング検査でアンフェタミン使用が発覚したボンズ選手は普通にプレーを続けていた前出のデイリー・ニュース紙は報じています。

メジャーリーガーの薬物汚染に関してここで長々と書くつもりはありませんが、選手会や機構側が薬物(それが合法なものであっても、スポーツ界では議論を呼びそうなものを含めて)に対して甘すぎるルールを定めている以上、事態が好転することはないでしょう。昨年実施された世論調査の中で、アメリカ国内における野球人気が僅かながら減少傾向にある事実が判明したのですが、その大きな理由として、ファンが薬物問題に愛想を尽かし始めたことがあります。機構や選手会は今後どういったアクションをとるのでしょうか?

ベッカムの話題に関しても少しだけ。日本でも5年契約で300億円近い大金が彼の懐に入るといったニュースが報じられているようですが、これには彼のスポンサー契約や肖像権なども含まれているようで、実際にロサンゼルスのチームが彼に払う年棒はもっと少ないようです。ただ、彼の年棒の額に関して各社の報道に大きな開きがあり、数億円程度と報じているメディアもあれば、FOXテレビのように年棒だけで40億円近い金額だと報じているメディアもあります。地元紙ロサンゼルス・タイムズは彼の年棒を1000万ドル程度と報じており、残りは肖像権やスポンサーからの収入でまかなわれるだろうとの事。いずれにせよ、ベッカムは今後5年間で2億5000万~2億7500万ドルを手にすると言われており、ある意味でスポーツ史上最大の移籍劇になるようです。

ベッカムが生まれた1975年なんですが、実はこの年にブラジル人スター選手ペレが当時アメリカにあった北米サッカーリーグに参戦しています。この時の彼の年棒が500万ドルといわれており、この額は当時のアメリカでもかなり大きな話題となっていたようです。メジャーリーグで100万ドルプレーヤーが初めて誕生したのが1979年のオフシーズンで、100万ドルプレーヤー第一号はノーラン・ライアンだったんですが、それよりも4年以上早く、ペレはライアンの5倍以上のサラリーを手にしていたんですね。ペレとノーラン・ライアンでは世界的な知名度が全く違うこともありますが、当時のアメリカでサッカー選手に500万ドルが支払われていた事実に驚きを隠せません。

ベッカムの移籍にはハリウッド関係者も絡んでいるようで、「アメリカン・アイドル」の生みの親として知られるサイモン・フューラー氏が大きな役割を演じたと一部のメディアは報じています。いろいろな意味で今年のアメリカ・スポーツ界で大きな話題を呼びそうなベッカムの移籍劇。5年後のアメリカ・サッカー界はどのように変化しているのでしょうか?

最後に殿堂入りを果たしたリプケン選手について一言だけ。どうも本気でボルチモア・オリオールズの買収を考えているようですね。近いうちにこの話もポッドキャスティングで紹介するかもしれないので、ご期待ください!

Written by Hirofumi Nakano