編集後記:あっという間の4日間

いやぁ、本当に時間の経つのが早かったです。木曜日にボストンに到着して、気がつけばもう日曜日夜(すでに日付が変わったため、正確には月曜日ですね)。今日は午前中に取材やリサーチで得た情報をまとめ、午後からダイゴ・ファミリーとマレーシア料理を食べに行ってきました。それからダウンタウン・クロッシングというエリアを歩いたんですが、昔と変わらない雰囲気で、学生時代を思い出しながら楽しみました。ダイゴさん、「マニー・ラミレスの家」だけど、よく考えたら、昔そこにブラジル人の友達が住んでいて、何度か遊びに行きましたよ!さすがに、パンプキン投げ大会はやらなかったけど…。

今回の滞在中、一番気になったのは、ポスティングで使われた5000万ドルが松坂選手やスコット・ボラス氏の懐に直接入ると誤解してしまっているボストニアンが少なくなかったこと。5000万ドルが独占交渉権獲得にかかった金額だとは分かっていても、それが松坂選手達への「ご祝儀」みたいなものだと信じ込んでいる人が何人もいた(もちろん、このお金は西武ライオンズに流れます)。「松坂選手への風当たりは想像以上に厳しいな」というのが僕の率直な印象だけど、その背景にはこういった誤解も存在するのではと思わずに入られなかったのです。もう1つは、ダイゴさんや地元のメディア関係者とも何度かこのテーマで話をしたんだけど、ボストンのメディアが松坂選手関連のニュースを大々的に取り上げている時期を見計らっての、球団側によるチケット価格値上げの発表。チケット価格の値上げは、例年なら大騒ぎになるようなテーマなのに、今年は完璧とも言えるタイミングで「マツザカ」の陰に隠れてしまった。松坂選手の獲得によって球団は財政的に大きなメリットがあると報じられているけど(球場内広告や観光客の増加によって)、チケット価格の値上げといった比較的ローカルな問題でも、レッドソックスのフロントは松坂選手の獲得を免罪符として用いるんじゃないかと思うようになった。

11月15日のスポーツ・イラストレーテッド誌(電子版)は、今回のポスティングにおける「勝者」と「敗者」をそれぞれ紹介している。ちなみに勝者の方は、1位:西武ライオンズ、2位:ボストン・レッドソックス、3位:日本野球機構、そして4位が「価格破壊」によって市場価値の急騰が予想されるメジャーリーグの選手達(とりわけ先発投手)となっている。敗者の1位は松坂選手本人で、2位がボストンに高額の年棒で復帰する可能性のあったロジャー・クレメンス、そして3位がスコット・ボラスという顔ぶれだ。ただ、この数日間の動きを見ていると、本当に得をしたのはレッドソックスに違いない。

月曜午後の飛行機でワシントンに戻ります。その前にノースエンドの教会に行って、近くのカフェでボストン・グローブでスポーツ記者をやっている友人とダブル・エスプレッソを飲んで(これは僕がボストンからワシントンに戻る際、必ず最後の日に行う儀式みたいなもの)、近くのペイストリーでカノッリを大量に買って持って帰ります。また、数ヵ月後に来るかもしれないけど、やっぱり僕はこの町が一番好きなんだと確認できた4日間でした。

Written by Hirofumi Nakano